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ピザ窯の火入れ式

とうとうその時がやってきました。

「おい!ピザ焼くぞ!」

その一言で始まったのです。それは、昨年の基地完成の折に完成記念として贈られたピザ窯(…というよりピザオーブンかな?)を、とうとう使う時がやってきたという宣言でした。

「そのねえ、おいパイ食わねえかみたいな宣言やめてくれる?」

「まあまあ、もういいかげん、火入れ式をしないとダメでしょ」

「確かになあ」

その2ヶ月前のこと。ピザ窯は倉庫から運び出して、外に放置してありました。鉄で作られているので、茶色に錆びてしまうのですが、それが見た目に味があって良いなあというモノだったからです。

さっそく、火入れ式をするために場所を移動です。さすがにHYMERくんの近くで火を燃やすというのは心理的に抵抗がありました。ちょうど燃料タンクの位置ですしね(汗)

さらには、BBQの用意もして準備は万端です。

「でさあ、お腹空いてる?」

「いや、ぜんぜん」

それもそのはず。つい先ほどパーキングエリアで食事をしてきたところです。その後、スーパーに行ってBBQの食材も買い揃えていました。

「じゃあさ、とりあえずピザ窯に火を入れてみようか」

「どうしてよ。それで温度が上がったとして、何もしないの?」

「いや、まあ、その」

「火を点けたいだけじゃん」

「はい、そうです」

私たちは、スーパーで食材を買い揃えた時にピザ用の生地を買うのではなく、混ぜるだけのピザ用小麦粉を買っていました。

「まあ、それならピザを焼く準備だけでもしておくよ」

というわけで、ピザ生地を混ぜて少し寝かしておきます。ほんの数分だけ発酵させれば良いとてもお手軽な小麦粉ミックスです。

「で、ピザ窯はどれぐらいの温度に上げれば良いのかなあ?」

「(ネットで調べて)んー400度とか書いてあるけど…」

「ええっ!?」

「それで、ピザを焼くのは2分ぐらいだとか書いてあるよ」

「あっという間だね??」

火を起こして数分たちましたが、温度はまだ200度ぐらい。これはなかなか温度が上がらないなと。

「雨が降ってきたなあ」

「まあ、とりあえずピザを作ろうよ」

そんなわけで、ピザ生地を丸く伸ばしてその上にチーズなどを広げていきます。

「おおっ!それっぽくなってきたじゃん!」

「早く焼きましょ」

こうして、降ったり止んだりとハッキリしないお天気のなか、ピザ窯の火入れ式は無事終わりそうです。

「焦げてるし…」

「あー。焼いてる時に回すの忘れてたなあ」

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