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能古島(のこのしま)に上陸。あの恐ろしい惨劇は…

福岡県民ならみんな知ってるらしいのですが、こっちはもう船で島に渡るっていう時点でもう、船の上の人たちがみんな連続殺人事件に巻き込まれる気がして勝手にワクワクしたりして。

船の甲板に出て水を切って進む船から遠くの景色に目をやります。

「いやあ、良い眺めですなあ〜」

「ここで、帽子が飛ばされそうになるのを手で押さえながら、『見て、島が見えたわ!』のセリフだよね」

「そしたら、船で出会った女の子が言うのよね『あれが別名、のこぎり島よ…』みたいな!」

「あーあるある!そうそう!きっと昔にノコギリを使った事件があってさ」

「キャー!」

…いやあ、平和で何よりです。


「さあ、着いたわ」

「ねえ、何処へ向かうの?」

「この島に、自然と調和したリゾートパークがあってね。花が綺麗に咲き誇ることで有名なんだよ」

「へえ〜そうなんだー」

マジで金田一のような展開。


「あ、あれを見て!」


「ほら、海の向こうに、さっき通ってきた福岡ドームとタワーが見えるわ」

「ほんとだ」

車はそのままスピードを上げて山道をひた走り、目的地へと到着したのだった。


「え?誰もいないの?」

「これ、金田一だったらオープン前の新しいリゾートだよね」


中に入ってみると、そこは懐かしい昭和の時代が残るフラワーパークだった。

そして、突然小芝居が始まる。

「ここは、戦争が終わって平和の象徴として整備されたの。ここの管理人のひいお爺さんが大陸から帰ってきた時にここの整備を任されたって聞いたわ」

「え?それホント?」

「もちろん、小芝居よ」


「あ、見て。何か地図のようなものが書いてある」

「行ってみよう」


「こ…これは…」

「管理人の家…?」

「うひゃあ!ここ、びっくりマーク入るトコだよねえ〜」

「さあ、先を急ごう」


楽しそうな遊具があったり、とてもワクワクするポイントがあります。


古くから整備され、観光客がたくさん訪れたようで、景色も良くて。地元ではデートスポットなんだそうです。


昭和の街並みも再現されていました。なかなか本格的です。


また、ミゼットが。

ずいぶんと活躍したんでしょうねえ。

さらに奥へと進みます。

「ああ〜これ、絶対、この案山子になぞらえて誰か殺されるなぁ雑魚キャラがまず最初だなあ」

「ええ、たぶん、被害者は船で出会ったリゾート開発会社の社長だね」

「そうそう」

その先へ進むと、広大なお花畑が広がっていました。


「いい景色だねえ」

「マリーゴールドだって」

「マリーゴールドの花言葉は?」

「嫉妬だって。それ以外には、絶望、悲しみ…」

「ひえ〜もう完全に金田一の話に入ってるよ」


その時は、まだ誰も知らなかった…恐ろしい惨劇が、そんなもの起きるわけが無いということを。

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