「ねえ、ここまで来たら別府温泉で一泊しない?」
「そうだねえ、それも良いですなあ〜もう一回ぐらい温泉入りたいもんね」
「じゃ、予約するね〜」
というわけで、九州最後のこの日はもう一度別府の温泉旅館へ。全室に温泉露天風呂付きの大きな建物で、海沿いにあります。駐車場にHYMERくんが停められるのも電話で確認しました。
ゆっくりと温泉につかって、美味しいご飯もいただいて。特に朝ごはんが豪華で美味しかったです。団子汁という名物もとっても美味しかったです。写真撮り忘れたけど。
「これ?駐車場?ニトリの駐車場じゃないよね?」
「うん、入り口にホテルの名前書いてあったから大丈夫よ」
「まあ、もう一泊しちゃったけど、何も言われなかったから大丈夫だったんでしょ」
「さあ、もう今日で九州の旅も終わりだよ〜ん」
「どうやって帰るの?今から高速道路を走ってく?」
「うーん…それなんですけどね…ここは別府だよね?」
「はい?何をいまさら…別府ですけど」
「別府港っていうのはねえ、フェリーが出てるんですよねえ」
「あーそういうこと」
「大分と別府を行ったり来たりするうちに、何度か見たんだけどさ、フェリー乗り場っていう看板がねえ…」
「でも、沖縄に行く時には乗れないって断られたんでしょ?」
「それが、遠目にだけどどう見ても乗れそうだったのよ」
「はい?」
「あ、その別府港から見えるフェリーがね。その、船内に乗り込んで行くあの坂道がそんなに急な坂ではなくって、乗れるんじゃないかなあ…と」
「ほっほう…」
「ちょっと聞きにいってみようか」
「え?」
「だって、フェリー楽しそうでしょ?」
「まあ、それ魅力!だけどさ」
「だってもう運転疲れちゃったんだもん」
「とうとうソレ言ったな!?」
「ちょっとお願いしてテストさせてもらえばいいのよ。試しに乗らせてもらうとか」
「えーっ!?そんなの無理でしょ〜」
「フェリーは四国行きもあるけど、どうせ乗って行くなら一番遠いところまで乗って行った方が楽だよねえ〜さぁ行くぞ!」
さて、別府港までほんの数分で到着しました。
どどん!
「すいませ〜ん!」
「はいはい、どうされました?」
「今日の便に乗って行きたいんですけど、空きはありますか?」
「ああ、大丈夫ですよ」
「あと、心配なのが、車の底をスッてしまわないかどうかなんですよ。ちょっと車の下がデッパリがあるもので…」
「じゃあ、いまやってみるかい?」
「え、いいんですか?」
「いいよ、じゃあこっちに来てみて」
「ほら。ね?」
「え?え?いいの?」
「いいって言ってたじゃん」
「ひえーすげえ」
「ありがとうございます」
こうして、実際に横で見てもらいながらソロリソロリと進んでいきました。
「あーここあとこれぐらい。たぶん大丈夫だねえ」
といいながらおじさんが指を拡げて路面と車の底の空間の長さを教えてくれました。そうやって最後まで少しづつ登って行って、無事に船の中まで登ることができました。
「ありがとうございます!大丈夫ですね!じゃあ予約していきます」
「いま満潮だから、乗る頃にはもっと下がってるし大丈夫だよ〜」
「ありがとうございまーす!」
「うん!ちょっとフェリーは楽しみ!初めてだもんね」
「ほんと、良かった。あ!見て見て!」
「あー虹だ!キレイだ〜」
そうして、夜の乗船まで時間が出来たのでまた大分に戻って昨日お話ししたサンドイッチを食べたわけですが…。このあと、お腹がいっぱいになって、HYMERくんの中で数時間居眠りして、ゆっくり休憩できました。
「ほんとだねえ。田んぼで藁を燃やしてるのまで温泉に見えちゃったけどね」
「さあ、もう九州ともお別れだよ〜」
「食べものが美味しいってこんなに幸せなことなのかと、深く心に刻まれたなあ」
「まったくですぅ」
「フェリー乗り場にはいろんな模型が置いてあったよ」
「ほら、さんふらわあって書いてある」
「よいですなあ〜ワクワクしますね〜」
「いよいよ、これに乗るんだね^_^中はどんなだろう?楽しみー!」
寝たらあっという間に着いてました。行きの苦労が嘘のようです。
「何言ってんの!私は途中で起きて、明石海峡大橋を下から撮影しておいたわよ!」
「さあ、来るわよ〜」
「来た〜!!」
「あああ、一瞬で通過しちゃった!」