湯郷温泉と吉備PAの桃太郎像〜宮崎シーガイア&チキン南蛮の旅(第3夜)

いやあ、もうすっかり紅葉の季節になりましたねえ。山間地を抜けていく中国自動車道は、右も左も赤く色付いて冬の到来を感じさせます。毎年のことですが、HYMERくんのパノラマから見る景色はなかなかの迫力があります。

さて、最初に立ち寄った岡山県の美作にある湯郷温泉は、これまた歴史のある温泉地でありまして、岡山三湯の一つに数えられているのでございます。

「さあ、疲れたしちょいと温泉でも入って行きますか〜」

「そうですな〜まず最初は中国横断ですからねえ」

まあ聞いた話によりますと、平安時代に円仁法師が夢で中国地方の山中で白鷺が傷を癒すのを見たらしく、その後旅の途中に立ち寄って発見されたと言われる歴史ある温泉なんだそうな。でも、なんだか何処か他のところでも同じような話を聞いたような…。

とりあえず、まずは温泉に入って疲れをとりまして。



日帰り温泉があるのも嬉しいですね。昔からある温泉地だとこういう日帰り温泉がある所が多いので、車中泊の旅には最適です。温泉地では立ち寄り湯っていうのかな。公衆浴場になっているケースもあったりとか。無料だったりとか。

「ねえ、疲れたし今日はホテル泊まらない?」

「ええ、いいわよ。でも予約してないから泊まれないかもよ」

「どこでもいいから、ちょっと地面の上で寝よう」

「HYMERくんだって地面の上じゃないのよ」

「いやあ、そりゃそうなんだけどさ。なんだかフワフワするじゃんやっぱり」

そうなんですね。HYMERくんと言えどもやはりそこは車ですから、少し寝返りをうつだけで車体が揺れます。最初の方は慣れるまで、地震が来たのかと目がさめることもありましたねえ。

「食事はカニ会席だって。やっぱり、カニは小さいかなあ」

「そりゃ値段が違うもの。間人と比べちゃダメよ」

「まあ、ちょっと休憩で一泊させてもらうだけでも」



贅沢言っちゃあいけません。畳の上で寝かせてもらうだけでもありがたい。ねえ。

まあでも、突然立ち寄ったにしては良いお宿がとれました。それでは、ズワイカニを堪能する食事中の楽しい会話を皆さんにお届けしましょう。ではどうぞ。

「…」

「…」

「…」

「…」

「…ちょ、ハサミ貸して」

「…」

さて、翌日。

南に下っていきまして、山陽自動車道に乗り換えてさらに西へと向かいます。ちょうど吉備のSAでトイレ休憩。九州まではまだまだ長い道のりですが、それを激励するかのように桃太郎と仲間たちが応援してくれました。

まだまだ先は長いぞっ!

がんがれっ!

ついてこい!



と、きびだんごを頂きましたとさ。

おしまい。