別府温泉を満喫した私たちは、この日宮崎を目指してまた高速道路に乗りました。そしてまた途中のパーキングエリアで車中泊するかどうかのお話に。
「はーい、ここで今日は車中泊しよーう」
「ここどこ?」
「松岡パーキングエリアかな?まだ大分県だけど」
「あのさ、ここから高速道路が無料期間に差し掛かって、PAがなくなるの」
「あらま」
「道の駅とかはあるんだけど、ここが最後のPAだし、良さそうだからここにしようと思ってね。ほら、これ見てよ」
「ほっほーう。なるほどねー。だったら、大分市内でもう一回お風呂入ろうかなあ」
「そうなの?」
「うん、さっきのひょうたんの湯では髪を洗わなかったんだよねえ。どうしよっかなあ」
「じゃあ次の出口で降りる?」
「うーん…明日の朝でもいっかなぁ。もう遅いしね…ていうかあれ何?」
窓から見える暗闇の空、その指差した方向に、とてつもなく大きなマルい家根のようなものが森の中に見えました。
「ああ、たぶん大分ドームじゃないかな。地図にも載ってるよ」
「本当だ!大分ドームって何だっけ、何の本拠地だっけ?」
「知らん」
「あーもういいや。明日入ろ。犬の散歩に行ってくるわ」
松岡パーキングエリアはもう真っ暗でしたが、ちょっとした芝生のスペースがあったので犬の散歩にちょうど良かったのです。岡モータースさんの担当営業さんからもらったライトが役に立ちました。
そしてその夜はそのまま就寝。翌朝になって周りを見渡すと昨夜の風景がこんなだったのかと安心に変わります。
芝生スペースは小高い丘になっていたんですね。その上から向こうに大分ドームが見えました。
「わーい!」
「何があったかなあ、うーんとカレーがあったわね。米もあるしゴハン炊こっか〜」
「やったー!カレー食べたーい」
「もうずっとHYMERくんの棚の中に入れてて賞味期限切れてるけどね」
「あっははは。大丈夫だよちょっとぐらい」
「ねえねえ、飯盒でお米炊くのって難しいっていうじゃない?あれ、まったくわからないんだけど」
「ああ、失敗したことないもんね」
「みんな失敗するの?」
「火加減が難しいのよ。薪で炊いたら難しいよ。そりゃガス火で炊けば簡単さ」
「ああ、そういうことなのね〜納得」
「ごちそうさま!さ、宮崎へ行くぞーっ!」
「今から走って、ちょうどお昼ご飯ね!楽しみ〜」
それから3時間。結構な距離を高速道路を走って行きました。九州って広い…。さあ、宮崎西インターチェンジを降りて、県庁方向へと向かいます。そのまんま東が有名にしたあの県庁。そこを駐車場にさせてもらおうと目指していました。ところが…。
「あれ?通行止め?」
「ホントだ、なんで?」
「青島太平洋マラソンだって〜」
「どうしよう、ここを封鎖されたら県庁は行けないし、ましてや目的地に行けないよ?」
そう。目指していたのは、この旅の目的であるチキン南蛮のお店。