突然ですが、消費税について考えてみた(その2「平成時代」)

昨日は消費税の計算のお話をして、税金がどれだけ増えたのかを見てみました。

その消費税ってどういう計算になってるの?という説明もなく「税金が48円増えたね!」で結果だけをお話ししたので、もう少し補足説明をしておきますね。

消費税というのは、国内で消費されるモノや、国内で提供されるサービスにかかります。

この例では、900円のお好み焼きに72円の消費税ですね。それを消費者が負担している…というのが日本国財務省の説明です。


ここで疑問が一つ生じます。この上の表では、消費者が72円の消費税を負担したのに、国には税収として48円しか入らないように見えますね?

なぜか24円はマイナスで引かれています。実はオヤジが仕入れた時に324円支払っているので、24円は仕入先に支払っちゃったわけです。この仕入先をキャベツ農家としましょうか。

キャベツ農家の人は、たまたま庭に生えていたキャベツをタダで手に入れてオヤジに300円+消費税24円で売ったんだと仮定しましょう。すると農家の計算は以下の通り。


このように、24円は農家が日本国に税金として納めるのです。農家が値上げした分全額を国に払っています。ですから消費者が負担した72円は、ちゃんと日本国に取られます。というわけで消費者の皆さん安心してください。(国に)はいってますよ。

話をオヤジに戻しましょう。


オヤジはただお好み焼きを焼いていただけです。ここがポイントです。

もし、このオヤジが日本にいなければ、あるいはオヤジが商売を辞めてしまえば、オヤジはもちろん所得が無くなりますが、税金248円も消えて無くなるのです。

財務省は、給料の所得税120円は社員が負担している、消費税72円は消費者によって負担されている、だからオヤジの税負担は80円だけだと言います。しかし、このように単純に考えると、オヤジがお好み焼きを焼いて動いたお金から全て生み出されているので、全てオヤジが負担していると言ってもいいんです。

これを証明するために、オヤジの儲け600円(給料と利益の合計)に消費税率8%をかけると48円であることからもわかりますね。このオヤジの儲けを「付加価値」と言います。消費税というのは別名で付加価値税とも言われており、会社の儲け(付加価値)に税金を掛けているのと同じなのです。

それを確認するために、会社の数字を税込表示に変更してみましょう。

このように、直接税という所得に対する税金と同じように消費税も分解することが出来ます。給料に掛けていた税率30%→38%に増税、利益にかけられていた税率40%→48%に増税したのと同じです。

値上げした分は消費者が負担するんだから、税負担はやっぱり消費者だよとおっしゃるかもしれません。けれど、オヤジがお好み焼きを焼かなければ、そもそも付加価値は生まれていないし、上の表を見れば、オヤジの生み出した付加価値に税金がかかっているのは間違いありません。

それをもっとハッキリさせましょう。

オヤジが国の言うことを聞かず、消費税分を値上げしなかった、とします。


国はそんなことはおかまい無しに、消費税をオヤジから奪い去っていきます。48円が43円へと少し減りますが、ほとんど変わりません。値上げしなかった72円のうち40円が、オヤジの手取りから減っているのがわかります。値上げしなかった消費税の半分以上はオヤジの負担になってますね。

それは、オヤジが値上げしないのが悪いんだという人もいるでしょう。それはまだ財務省のまやかしにかかっています。

そもそも売値の900円はオヤジが手取りで400円残るように設定した値段です。この世に税金が無ければ700円でもいいなと思っていたかもしれません。


つまり、税金の分だけすでに値上げされていたのです。昭和の時代から。

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(補足)

皆さんご存知のように給料には消費税はかかりません。面白いですねえ。何故ですか?労働力は消費じゃない?もしサラリーマンが独立起業して、今までやっていた仕事を契約して事業だと言えば、消費税がかかります。

ここ、ややこしいですね。

例えば、オヤジが身体を壊して病院に入院してしまったので、自分の給料と同じ金額で派遣社員を雇うことにしました。派遣会社は人材派遣を事業としてやっているので消費税がかかります。

すると、こうなります。


オヤジは病院で寝ていても120円は儲かるので良かったですね。オヤジが国に納める消費税は16円に減りました。

農家と同じように、派遣会社も32円の消費税を国に納めますので、消費税が合計72円であることに変わりありません。誰からもらうかなんて、日本国にとってはどうでもいいんです。合計が72円でさえあれば。