芝政ワールドへ向かおうとしているのに、なかなか目的地にたどり着きません。芝政のプールに入ろうとしている旅なのに途中の誘惑が多すぎて、つい寄り道しちゃうのでした。
福井県といえば、つい数年前にも来たことがありますなあ。仕事で来たこともあれば、旅行で来たこともある…。けれど、観光地というイメージはありません。本当は、恐竜の博物館とか行きたいんだけど、まだ無理かな。
草津でワニの剥製を見ただけで怖がって逃げるぐらいだから、子どもは連れていけないし…。
「地理の問題といえば、地元の名産品などが挙げられるわけですがね、福井で有名なものといえば、もう1つ。メガネですね」
「ほう?メガネかい?」
「はい。メガネのフレームなんですけどね、福井県は鯖江というところで日本のメガネフレームの96%を生産しているというわけです」
「へえ〜日本のメガネの96%がここで!?もうほとんど日本国内に出回っているメガネは福井県産というわけじゃないか?」
「そうですよ〜そうなんですよぉ〜はい、これ、出ます!」
いやあ、まさに試験に出るどうでしょうシリーズみたいになってきたなあ。
「お腹すいた」
「え?」
「腹減った。なんか食わせろ」
「あら。少々言葉が乱暴になってきちゃあいませんか、それはいけませんなぁ」
「もう、芝政まで待てない」
「あら」
「ソースカツ丼食べたい」
「どこにあんのよ?」
「鯖江のインターチェンジで降りたらすぐにあるからそこにしよう」
というわけで、行きました。ヨーロッパ軒さんです。
昔、福井に遊びに来た時にソースカツ丼発祥の地として名高いヨーロッパ軒総本店に行ったことがあるのですが、さすがにそちらは福井市のど真ん中でHYMERくんが停められるような場所は絶対に無いだろうとあきらめて、こちらのお店にしました。
いやあ〜どうですかみなさんこのソースで湿らせたような豚カツ。なかなかお目にかかれませんでしょう?カツ丼と言えば卵でとじてあるイメージでしょうが、こちらでカツ丼と言えばソースカツ丼と決まってます。
日本中どこへ行っても、カツ丼と言えば卵とじですよね?
ところが、日本でここ福井県、あとは山梨県、群馬県、岡山県、沖縄県だけは違うんですねえ〜カツ丼と言えばソースカツ丼なんです。
じゃあ、その5県で卵とじのカツ丼を食べたければなんと注文すれば良いのでしょう?
答えは「卵とじカツ丼」です。山梨では「煮カツ丼」とも言うそうです。ええ〜?と思われるでしょうが、なぜかこの5県だけ特殊なんですよねえ。
なぜこの縁もゆかりもなさそうな5県だけが、ソースカツ丼文化を持っているのかはまったくの不明ですが、ただ、ここヨーロッパ軒のオヤジが東京の早稲田大学の前でヨーロッパ軒という店を出していた頃に考案したらしく、その後関東大震災で被災して出身地の福井に戻って今のソースカツ丼文化を定着させたというのが福井県で広まった理由のようです。
それ以外の県でどうしてそうなったのかはわかりませんが…。
さてこのソースカツ丼、豚カツをソースの中にくぐらせてしっとりさせちゃっているんですよ。上からソースを振ったとかじゃなく、完全にソースの海に沈めた感じです。けれど味は濃くなく柔らかくて食べやすい。
福井に来たらつい食べちゃう逸品ですね。
そのあと、隣のスーパーで買い出し。今日から数日間の食料を買って備蓄しておきました。なんだかこの景色と空だけ見るとハワイでホールフーズに来たみたいだねえ〜なんて言いながら時計を見るともうなんと午後3時。今から芝政プールに着く頃には16時…。
「寄り道ばっかしてるからだろぉ〜」
「いいじゃん!ノープランなんだから」
さあどうする?