「さあ、出るぞー」
出口のゲートをくぐるって右にカーブ。そのまま進むと正面に丁字路の交差点が見えてきました。
「で、どうすんの?」
「そうね、ジャンケンしよう」
「お、次の交差点?」
「そう、私が勝ったら右ね」
「OK!ジャン、ケン、ポン!」
「右だわ」
「右ね、私が勝ったのね。よーし右ダァ」
「おい、雨ふってきたぞぉ」
「ホントだ。こりゃあ前途多難と」
「アッ!あれ見てよ」
「これってさあ…」
「うん…」
「どっち行く?」
「うん、左だね」
「左だね。そだね。右行かないね?」
「これって、右にはホントに何も無いぞって意味だよね」
「そだね。たぶん死ぬぞ」
「よーし左だぁ」
地図も見ないで看板だけで私たちは旅を続けることになりました。
「道の駅って書いてあったよね」
「うん。和(わ)って書いてあった」
「とりあえずそこ向かおう」
「なんて読むんだろう…”わち”の’わ’かな?」
「ま、行ってみよう。行けばわかると思うよ」
到着。
わりと古い感じの道の駅だけど、駐車場は広いねえ。
「ちょっと様子見てきてよ」
“なごみ”と読むんですね。わちは、和知と書くそうです。由良川の川沿いに発展した町のようでした。カヌーにも乗れるようなことが書いてあります。
「ここで寝る?」
「うーん、そうだねえ。まあ、空いてるけどねえ」
「ちょっとこの辺に良いお店ないのかな。ググってみよ」
「その間にトイレ行ってくるわ」
もう夕暮れ時。
日はどんどんと落ちていきます。