山口県と言えば、獺祭。このお酒の魔力に取り憑かれたら…

大谷山荘ではもう1つ良いことがありました。お風呂に入ってからお土産コーナーに向かうと、そこには私たちの大好きな日本酒「獺祭」がたくさん売られていたのです。

一時は東京でも手に入らないと言われた、3割9分や2割3分など、より人気のあるものでも豊富に売られていました。さすがは地元です。


磨きの比率で値段が変わるわけですが、まだその先へもっと磨いた極みもあるらしい…いやいや、もうそこまで行くと素人にはわからない味の違いです。

「東京ではまだ手に入りませんか?」

「いえ、少しは買えるようになりましたが…」

「お値段が?」

「はい、最近はやっと落ち着きましたけれど」

「お正月には倍の値段でしたよ。バカバカしくて買えませんでした」

「販売店さんも強気ですねえ」

今から一年ほど前、HYMERくんと初めての旅に来たとき、汐留で獺祭を買って、お台場の駐車場で飲んだことを思い出すなぁ。

このお酒を初めて教えてもらって飲んだのは、銀座のお寿司屋さんでのことでした。その頃はまだ獺祭は今ほど売れていなくて、口コミで広がっていた頃で、味にこだわったそのお寿司屋さんも、酒蔵の努力を聞きこれは美味いと太鼓判を押して、お客さんに勧めていたのを思い出します。

そもそも、獺祭は山口県の小さな酒蔵で作られていました。それを応援しようという心意気だったと思います。

ところが、たくさん売れるようになると、小口少量では販売できないと最低発注量を条件にされたそうです。さすがに注文が殺到したために、小口に対応出来ず断らざるを得ないということでしょうが、今までお客さんに勧めてきたのに、最低発注量を求められるのは残念な気持ち(ヘソを曲げちゃったんでしょうけどね)だったと、お寿司屋さんの大将から聞きました。(頑固だからねぇ)

何事も急成長するというのは、歪みを生んでしまうものですね。


それでもまぁ、美味しいものだから、今でもこうしてたまに飲んでいます。今までは日本酒は飲めなかったのですが、これはまるで水のように飲んでしまうスッキリしたお酒です。

匂いもなく、雑味もアルコール感もありません。

けれどしっかり酔っ払います。

今日は、大谷山荘に来れて良かった!いろいろラッキーが重なり、美味しい思い出がまた出来ました。さあ、次の目的地へ!