本銚子駅の駅舎リフォーム騒動…あれって田舎アルアルだよね。

田舎に住んでいて育ってきた人として、都会の人が移り住んでくるほど別荘の多い田舎だった経験として、また都会のど真ん中に暮らしていた者として、今年の24時間テレビの駅舎リフォーム騒動って、よくあるお話なんですよねえ。今はどちらの人の気持ちもよーくわかるので、複雑です…。

都会の人は、たまに田舎に遊びに来て自然を満喫して帰りたい。日頃はコンクリートジャングルに住んでいるから「自然を大切に!」なんて気持ちを強く持っている。

一方、雨が降ると川が溢れて流れ込み、田んぼの畦が崩れたり家が流されたりして被害を受ける田舎では、川の両岸をコンクリートに固めて生活の安全を守りたい。

昔、聞いたことのある田舎の友人のセリフ…

「便利な都会に住んでいる人に言いたいよ…私たちは便利な生活をしちゃいけないの?って」

わざわざ薪ストーブを焚き付けに田舎の別荘へやって来て不便な暮らしをして「癒されるなあ」なんてツイッターでつぶやいちゃって、近くに住んでいる田舎の友人が石油ファンヒーターをつけていると聞くと「え?薪ストーブじゃないの?どうして?」みたいな事を平気で言われるんだそうです。


リフォームされた駅舎は地元の人にはとても好評らしく、そりゃ前のいつ崩れるかもわからない駅舎よりも快適な方がいい。デザインがどうとか風情がなんだとそんなことよりも、毎日使う便利さの方が優先するのは当たり前です。

古い駅舎が観光資源として何万人と人を呼ぶのなら、地元の人も文句ないでしょう。けれど、有名な建築家が建てた訳でもないただ古くなっただけの駅舎を、維持管理するコストもかけて使い続けることに誰も納得しないのでしょう。たとえ古い駅舎に思い出があっても、良い思い出だけとも限らないし。

川が氾濫することが多く、田んぼに近いので害虫が発生しやすいから、水路をコンクリートで固めることに昔は誰も文句なんて言いませんでした。ましてや昔、地方病と言う名前で原因不明の奇病と言われた日本住血吸虫症が、水路に住むミヤイリガイという小さな巻貝に住む寄生虫だとわかって、徹底的に水路をコンクリートにしたのです。

ところが、今では護岸工事をするとホタルがいなくなるから風情が無くなるとか、ものすごい反対運動として大騒ぎされてしまうのです。それで公共工事がいっこうに進まなくなる…。


自然破壊はもちろん考えさせられる大問題です。木が切り倒され美しい緑がハゲ山になる姿も、太陽光発電パネルが所狭しと並べられ、圧迫感を受けるほど南側を向いていることも、実際に見ていると悲しい気持ちになります。

太陽光発電は再生エネルギーだから自然に優しいエネルギーだとか言いますが…実際に太陽光発電パネルが立ち並ぶ場所が、どれだけ自然破壊をしているか、景観を損なっているか、見ればわかりますよ。電気を使っている時点でもう、全てが人工的な文明じゃないですか…?

何を守って、何を犠牲にして、人は生きているのか。

自然とともに暮らすってとても難しく、自然を壊さない努力を出来るだけしたいけど、人の生命と安全は守りたい。自然がいかに恐ろしいかを知っているから、少しは自然を犠牲にして人工的な手入れをしなければいけない…。

でも、野生動物たちはこういうでしょう。

「そんなぁ気にすんなよ〜大丈夫。今に始まったことじゃないよ。何をいまさら〜」

「え?どういうこと?」

「森を開梱して水を引き田んぼを作るのも自然破壊さ。弥生時代からやってることさ」