スタッフドチキンの解体ショー「先生、骨の名前はいらないです…」

えーっと、今回のお話はキャンプの裏側全部見せます!ですから、本当の裏側のところもちゃんと見せてかないと約束果たして無いことになりますよね。

というわけで、今日は会話の一部始終を、ちょっと話を盛りながらご紹介。それは、スタッフドチキンを作っているときのことです。

「そろそろ出来たかな。鳥のまる焼きが」

「まる焼きって言わないで。かわいそうだから」

「さ、出来たぞお〜」


「おおお」

「わあこれは美味しそう!」

「すご〜い!」

「レンコンが色が変わっちゃってるじゃん!」

「そういうレンコンだったんじゃないの?ムラサキレンコン?」

「なわけあるかーい!火の入れすぎでしょ。炭になる一歩手前じゃないのよぉ〜」

「とりあえず、野菜を外に取り出して」

「OK!」


「こんな感じでいい?」

「あのーすいませーん」

「ん?」

「カレーおかわりしていい?」

「あーどうぞどうぞ」

「え?いまそれ言う?」

「ね、このチキンどうやって食べる?」

「切らなきゃだよね?」

「どうやって切る?」

「さあ?ケンタッキーみたいな感じになるのかな」

「解体だよね」

「そうだね」

「解体とか言わないで」

「あ!」

ここでみんなの心が1つになるのでした。

「先生!お願いします!」

なんと、今日のキャンプのメンバーには、ホンモノのお医者様がいたのです。

「先生、鳥も人間も一緒ですか?」

「先生、手術ってするんですか?」

「先生、やってもらっていいですか?」

矢継ぎ早に全員から繰り出される機関銃のような質問に先生は的確に答えていきます。

「はい、だいたい同じです、手術もしますよ、じゃあやりましょうか」

「これどうぞ」

包丁とトングをバトンタッチ。さあ、解体ショーの始まり〜。周りはみんなボケ始めたりツッコミ入れたりし始めました。それはもういつものお約束とでも言わんばかりに。

「先生、…うちの子大丈夫でしょうか?」

「うわー本当に手術みたい」

「ホントだ、包丁の持ち方がメスみたいに見える〜」

「ほら、助手!汗を拭いた方がいいんじゃね」


見事に解体されていく鳥肉。そこから先生の解説が始まります。

「あ、見てください、柔らかくてすごい骨が綺麗に抜けますね〜」

「これ、肋骨に相当する部分ですね」

「あ、これはとても柔らかいですね〜ほら大腿骨がすーっと」

「ほらここに上腕骨が見えてますねここから取りましょう」

リアルな解説が始まり、だんだん食欲が無くなってきて、皆の顔から笑みが消え始めました。

「先生、あの…骨の名前はいらないです」

「リアル〜」

「さ、出来ました。あとは取り分けて食べましょう」

苦労してじわじわローストしたチキンはとても美味しそうで、食欲を取り戻しました。

「先生、おいくらほどお包みすればよろしいでしょうか…」

最後の最後までボケ続けて夜はふけるのでした。ローストチキンはあっという間に無くなってしまうのでした。おしまい。