バリ島はインドネシアという国にあります。そんなことも知らなかった御一行。まずは飛行機の中で夏服に着替えてさあ、南国亜熱帯気候の島へと降りました。
「暑い!」
「蒸し暑いね!」
「ここからホテルまでどうすんの?」
「お迎えの人が来てくれているんだって」
「なんだ。レンタカーじゃないの?」
ハワイに行く時は、いつもレンタカーでした。国際運転免許証が無くても、日本の免許証でも運転が認められている便利さに慣れてたので、そういう反応もわかるけどね。
「インドネシアは、国際運転免許証でも運転出来ないのよ」
「え?じゃあ、絶対にタクシーに乗るしかないの?」
「だから、遠くに行く場合は、1日 車をチャーターするらしいよ」
「え〜」
「だから、ホテルまでも送迎の車が付いてるってわけ」
飛行機を降りてから、歩いている間にどんどん汗が吹き出して来ます。デンパサール空港では、入国審査を受けて荷物を受け取るまでずいぶんと歩きました。
入国時の税関検査では警察犬がチェックしてくれます。子どもは大喜びですが、ここは税関。犬をナデナデしたりして可愛がるわけにはいきません。
そしてようやく建物の外に出たら、ものすごい人の集まりが!
これ全部、お出迎えの人たちです。
「この中からどうやって送迎の人を探せばいいんだ!?」
「ひとつひとつ見ていくしかないね…」
「とりあえず、もう少し前に進もう」
何度も行ったり来たりしながらも、見落としてないか確認しながら進んで行きました。無事に見つかって、アイコンタクトしてご挨拶。
駐車場へと向かいます。
一般道に出て渋滞を抜けて順調に走り出した頃にはもう夕暮れ時でした。
車窓から見る街の雰囲気は、暗くてよくわからないですが、左側通行であることともう一つある特徴に気が付きます。
「走ってるの、ほとんど日本車ですね?」
「はい、90%以上が日本の車ですよ。日本の車は壊れないからですね」
何とも合理的な理由で納得です。この道で車が壊れたらJAFとかロードサービスが来てくれるまで不安で仕方ないわ。ちなみにガイドの方は日本語で会話をしてくれてます。
「どこか寄りたいとこないですか?」
「ないです」
「ご飯は?どこか食事はどうですか?」
「いえ、いいです」
「疲れたね?」
「うん、飛行機で疲れた〜」
とりあえずホテルまで着けば、メシ食って寝よう〜というカンジで、夜が更けて来ました。高速道路の入り口も何が書いてあるのかわからない…
日本のETCにも似た仕組みですが、使い方はまるで駅の改札口でした。タッチアンドゴーですね。
しかしガイドさんはめげない。
「両替は寄らなくていいですか?」
「あ、両替しておかないと」
「いやいや、ドル持ってきたよ?」
「インドネシアはルピアですね」
「え?なに?ドル使えないの?」
「はい」
「去年ハワイに行った時のドルが余ってたから海外旅行に行く企画もちょうどいいやと思って持って来たのに…」
なんだよ〜って顔してるけど、ここはハワイじやないの。ドルはダメに決まってるでしょ。
海の上の高速道路を渡って、ヌサドゥアの方へと向かうわけですが、空港から高速道路へ向かうロータリーが通行止めになっていて、一度北側の方へと迂回しなければいけなくなってました。それが渋滞の原因だったんですね。
ロータリー交差点を回れなきゃ、クタという町までグルっと回らなきゃいけないというわけ。海の高速道路に向かえないばかりか、南に右折することも出来ません。ロータリー交差点って不便なところもあるなあ。
バリ島にはほとんど信号がありませんでした。みんな交差点に流れ込んできてすれ違って行きます。よく事故にならないなあと思うほどガンガンやってきます。信号が無いというより、大きな十字路が無いということなんだそうです。(大きな十字路にはもちろん信号がありますよ)
そう言われて地図を見ると、確かに十字路が少ないなあ。よく見ると、ほとんどが丁字路です。中には無理やり丁字路にしたとしか思えないとこほも。
どうして十字路が少ないのかと聞いてみました。
「バリ島はヒンドウー教の島だから十字路は不吉なのでT字路なのです」
「へえ〜そうなんだ!豆知識だね〜」
「ならば豆知識対抗戦だ。日本語ではT字じゃなく丁字です」
「ならば豆知識対抗戦だ。日本語ではT字じゃなく丁字です」
なに外国人に日本語でケンカ売ってんだ?