日本は年末も押し迫った冬の季節。まあこれほどまでに寒い思いをしていると、例え南国とはいえ本当に暖かいのだろうかと心配になるわけですよ。だって、今から何時間か後にはダラダラ汗が流れるなんて普通は考えられません。
けれど、コートを着て飛行機に乗るわけにもいかず…
「これ、どうすんのよ」
「なに?」
「コートだよ」
「あ、置いてきて」
「どこに?」
「車の中に」
「車って…駐車場の?」
「そう」
「あの、駐車場への道って外だよね?ものすごい寒風吹き荒ぶ渡り廊下みたいなとこ歩いて行くんだよね?」
「そのコート着てけばいいじゃん」
「いやいや、帰りは寒いよね?」
「走ればいいじゃん」
「じゃあ、さっき駐車場で脱いでくればよかったじゃん!?」
「そんなことしたら渡り廊下歩くの寒いでしょ」
「ええっ!?どういうことですか?」
そうですね。寒いもの。3人がみんな寒い思いをするよりは、誰か1人だけ寒いのを走る方がそりゃ被害は少なくていいわね。確かにその通りです。
しかし、この寒い中をみんなコートを着ているわけですが、これで南国に到着したらどうするんだろう?
ところが心配は御無用でした。
「みんな、手荷物で機内に夏服を持ち込んで、機内で着替えるんだよ」
「そうなの?」
「で、着てきた冬服を手荷物のカバンに入れて飛行機を降りるの」
「へえ〜みんなちゃんと考えてるんだねえ」
「ハワイだったらホノルル空港のトイレで着替える人もいるらしいよ」
さあ、寒い思いをしたんだから、ちょっとアルコールでも頂いて身体を温めようかしらとラウンジへ。サクララウンジは今日も綺麗で安心です。
少し前に羽田から乗った時も、成田から乗った時も、サクララウンジで飲んでましたなあ。と昔の思い出にひたっておりました。こんなことを書くとなんだか海外旅行が趣味みたいな風に聞こえるかもしれませんが、とんでもありません。実は、数年前まではまったく海外旅行なんて興味はありませんでした。
海外なんて、学生時代に友人に誘われてサイパン、サラリーマン時代に社員旅行でハワイとオーストラリアに連れてかれたぐらい。自分から海外旅行に行こう!なんて、考えたこともないの。
食べものが美味しくないっていうのが、もうその興味が無くなる1番の理由だったわけですが。
「どうして海外旅行に行こうと思ったの?海外なんて興味無かったよね?」
「うん。何時間も飛行機に乗ってるなんて、深夜バスじゃあるまいし、絶対イヤだと思ってた」
「そうだよね?海外なんて面倒くさいだけじゃんって言ってたよね?」
と昔の友人にもよく聞かれます。
実は、きっかけは東日本大震災だったんです。それが今のhymer.lifeにも続いている大きな転機になりました。
仕事に明け暮れていたあの震災の日、私たちは東京にいました。仕事の関係で東京と横浜にバラバラになり、横浜のホテルのロビーで一時的に避難して津波が来るかもしれないからと建物の上層階にみんな避難してました。その後、たまたま知り合った横浜在住の人に泊めていただいて無事に。
東京では会議中にあの揺れです。みんなビルの中から飛び出して窓ガラスの破片が落ちてこないよう幹線道路の中央分離帯へと避難していました。
仕事先の近くに住んでいたので、その日は徒歩で帰ることができましたが、そのあとリアルタイムで津波や原発事故を見ることになります。その時に思ったのです。
「いま人生が終わるかもしれない」
「いま人生が終わるかもしれない」
それから、人生でやり残している事をもっとやっておこう、そう思ったのです。
その2011年からほぼ毎年の海外旅行が始まりました。
キャンピングカーを買うことも子どもの頃からの夢でした。けれど、あの経験が無かったら、ただの夢で終わっていた事だと思います。買おうなんて思ってなかったですよ絶対に。多分、そんなの子どもの頃の夢じゃん!いつまでも追いかけてんじゃねえよ〜ぐらいの考えでした。
「もっといろんな体験をしよう!」
「もっといろんな体験をしよう!」
それがhymer.lifeを書くというこの所作にもつながっているわけです。
ホームページを作ることもその「いろんな体験」のひとつです。
さて、この飛行機はガルーダ・インドネシア航空という航空会社。機内食にはインドネシア料理があります。これがまた美味しい!これは現地での食事も期待できますなあ。
美味しい機内食もいただきながら
「ところでさ、バリ島で何すんの?」
「あのね、象さんに乗れるの」
「はあ?」
「ねえ、象さんに乗りたいよね?」
「うん!乗りたーい!」
「イヤだー!象なんて、動物園でもクサイのに、その肌に触れるなんて!」
旅には目的というものがあるんですなあ。