ムリアリゾートには、子どもたちが集まるキッズクラブがあります。「ムリアキッズ」という名前なんですが、ここに子どもたちを預けて大人はスパに行ったり食事に出かけたりするわけです。日本でいう託児所のようなものですね。
意外にも子どもが喜んで行くので心配することはないのですが、言葉が通じないのに大丈夫なの?と思っちゃうんですよね。係の人たちも慣れていて大事なところは日本語を話してコミュニケーションを取ってくれるようでした。さすがプロ!お見事です。
緊急用の携帯電話の番号を伝えて、お迎えに来る時間をだいたい決めて、あとは子どもの意思確認だけ。
「バイバーイ!」
と先に言われてしまうぐらいに慣れたものです。1人だけでいる方が自由にできるので良いのかなあ。そう思うと少しさみしい気分にもなりますが…
「いーのいーの。気にしないの」
「ボーネルンドで遊んでるような気分なのかな」
「同じ子どものお友だちと遊ぶ方が楽しいみたいよ」
「まあ、そういうことなのね」
それって、だんだんキャンカー旅にもついてきてくれないってことじゃん〜と思いながらも、ここはとりあえずバリ島の観光へと出かけます。
ムリアリゾートからタクシーで数分のところにバリコレクションというショッピング街があるらしいので、そちらへ。というのも欲しい水着があってそのブランドのお店がバリコレクションの中にもお店を出しているというわけです。
「もはや海外旅行に行くたびに水着を買うというのが定番化してない?」
「だってさ、海外の方が日本には無い変わったデザインの水着がいっぱいあるのよ。それもとても種類があって、自分に合った水着を探し出せるのがいいの。可愛いくてカッコいいのがいいのよ」
「ふうん〜なんだかわかんないけど」
水着は泳ぐためにあるのではなかったか?
そんな無駄な疑問はさておき、ロビーでタクシーを待ちます。
ロビーの向こうに見えるのが、ムリアリゾート のヴィラです。敷地面積が広いから遠いなあ。あそこからここまでレストランに食べに来るんだろうか…それ面倒くさいな〜と思う始末。
ロビーは7階にあって、5階のレストラン街から水盤へとつながるスペースが上から見下ろせました。なんと、大晦日の夜にはここでコンサートが開かれるらしいのです。カウントダウンパーティというやつですね。
年越しそばを食べながら、除夜の鐘とゆく年くる年でしか年越ししたことのない私たちにとって、この初めての海外越年はいったいどんな気分なのか、期待が膨らむわけです。(たぶん寝てると予想…)
さて、タクシーがやってきました。
タクシーにはナンバープレートとは別に全て番号が振られていて、ベルボーイがその番号をメモして渡してくれます。誰が呼んだタクシーなのかわかるようになってるんですね。
バリコレクションに入る時に、ゲートがありました。その中はとても整備されていて、ロータリーにも石像が飾られています。この敷地内一帯は、多くのリゾートホテルも立ち並ぶリゾート地帯になっているみたいです。タクシーの運転手さんが教えてくれました。たまたま日本語のできるタクシーに当たったのです。
「私は数年前まで日本語のガイドをやっていたんですよ」
「あ、それで日本語が上手なんですね〜」
「少し日本のお客さんが少なくなったですね」
「帰りにもタクシーに乗るので迎えに来てくれますか?」
「はいじゃあこれに電話してください」
だいたい必ずと言っても良いほど、名刺を渡されます。これ、なかなか良い仕組みですね。一度でも乗ったことのあるタクシーなら安心ですもんね。タクシーを降りる前に一度ワン切りしてかけてみて、確かめておきました。これでリダイアルできるから名刺も失くしたって大丈夫と。さて地図を見てみましょう。
「…」
地図を見て若干やる気が失せたようで。
「ギャ!こんな広いの?」
「きゃあ、嬉しいわ」
「いやあ!」
「さ、行こっ!」
「あ、見つけた!ここだよ水着のお店、こっちの方だよ?行こう!」
さっさと買ってさっさと帰る作戦である。
「そんなに焦らないで。もっと過程を楽しみましょう〜あ、この水着のお店はどうかしら」
残念ながら、見事に見透かされているのである。
つき合わされている方はたまったものではない。
「あ、こちらのお店も良さそうねえ」
「寒いから、外で待ってるわ」
さて、とにかく南国のお店は店内がギンギンに冷房で冷やされていて、とんでもなく寒い。なので長袖は欠かせません。必ず持って行くのがクセついたおかげで、肌寒い思いはしなくて良くなったが…しかし、汗で濡れたTシャツまでは乾かないので、冷たくなって身体が冷えてしまう。
極力店内には入らずに、先に進んでウロウロ…子どもが遊ぶところもありました。そりゃ子どもだって買い物に付き合わされるのは苦痛だということでしょうね。
そうしているうちに、お目当てのブランドの店を発見!すかさずメッセージで送る。
《見つけた!ここでしょ?》
《うん、それそれ!どこ?》
となれば、店の前で待つのが普通だが、そんなことしていては寄り道してなかなか来ない。ただちに戻って連れてこようという作戦に。離れてもiPhoneのGPSのおかげで大体の場所はわかります。すぐに合流。ようし、捕まえた!とばかりに
「お店はあっちだよ」
「ねえ、これ買って」
「え…(やられた…)」
あえなく、お会計ホイホイに捕まる。金ヅルはまんまとおびき出されたのであった。この合流した時点で既に買い物かごに入った商品はそのままお会計カウンターでお預かりされているのである。いやはや、お買い物戦略では相手が一枚上手なのである。
北ゲートには日本の百貨店のロゴが大きく掲げられていました。日本人観光客が大勢押し寄せていた頃の名残が垣間見えますね。しかし、今では観光客の主流は中国人に変わっているらしく、
ここでも爆買いブームがやって来たのか、お土産用スーツケースが山積みに売られていました。
世のお買い物戦略おそるべし。