ムリアリゾートに6泊するhymer.life御一行ではありますが、スケジュールは10日間ですのでまだ予定が見えていないところがあります。日本との時差は1時間ですから飛行機に乗ったその日のうちに到着するので移動に2日間が必要だとすると残りあと2泊はどこか別のところに泊まるはず…
「今日も朝食は美味しかったね」
「和食、洋食、インドネシア、アジアといろいろ取り揃えてくれているから、飽きないね」
「私のお気に入りはこれだよね」
「あ、ラーメンみたいなのでしょ」
お皿に自由に具を乗せて渡すと、目の前でさっと湯がいてラーメンにしてくれるというメニューがあったのでした。卵をオムレツにして焼いてくれるのはよく見るけれど、ラーメンというのはなかなかありません。味は日本のラーメンというよりもベトナムのフォーに近いかな。
「麺もたまご麺から平打ち麺とか色々選べるんだよ」
「へえ〜。ところで今日は何するの?」
「まずはプールと海でしょ」
「うん。ところでさ、ここに6泊するわけじゃん?」
「そうよ」
「で、あと残り2泊はどこへ行くの?」
ようやくこの旅の核心に触れる時がやって来たのであります。
「象に乗るんだよ」
「いやいや、それはもう聞いたけど象の上で寝れないでしょ?次のホテルはどこに行くのかって聞いてるの」
「あのね、象だけじゃなくサファリの動物たちが住んでいるサバンナにロッジがあってね、それを予約…」
「ええっ?どういうこと?サファリパークの中に宿泊施設があるということ?」
「そうなんだけどさあ」
「おい、そんなの無理だよ。寝てるあいだも動物の匂いがするんでしょ?うわぁ絶対無理だ」
「この『動物園じゃありません、サファリです』ってなんだよそのキャッチコピーは!?そこ自慢するところか?」
「そりゃそうでしょ。こんな体験なかなかできないよね?」
「うわーここで寝るの?」
「すいません、ムリです」
「そう言うと思ったわ」
「だってこんなに綺麗なわけないじゃん。排泄物が散乱してるはずだし、動物園でも鼻を押さえながら歩いて行くのに、こんなところで夜に寝て、しかも動物って夜行性なんでしょ?いやもう、これマジで水曜どうでしょうダヨ!ブンブンじゃん!」
もはや冷静さを失ってダダをこねる子どもである。
「だって象にのりたいんだもん。このロッジからレストランまでの移動も象に乗って行くんだよ」
「いや待って。移動も出来ないの?わかった象には乗るから。乗っていいから」
「象には乗るのね?」
「うん、ここに泊まらなくても象には乗れるでしょ」
「わかったわかった。そこには宿泊予約しなかったから。話は最後まで聞いて」
お?今回はさすがにそこまで無茶な企画はしなかったようですなあ
「え?そうなの?じゃあ良かった…安心した…」
「では、象は乗るってことでいいね?」
「ん?ああ、象は乗っていいよ…あれ?」
何故か、象に乗ることに話が変わっていることに気付いたようである。まんまとエレファントライド作戦に引っかかるのであった。
「じゃあ行きましょう!」
またタクシーを呼びます。が、今日は1日チャーターすることに。街中にもロータリー交差点があって、必ずと言っていいほど石像が立ってます。ここは角に寺院もあってとても綺麗に飾られています。
飛行機で到着した日には夜でわからなかった海の上の高速道路。その入り口のデザインが明るくなってようやくわかりました。なんとド派手な…
このまま北へと向かい、到着したのはバリ動物園です。
「うん。これならギリ許容範囲」
「さあ象に乗るぞーっ」
象に乗る料金は入り口で支払って、胸にエレファントライド作戦のシールを貼っていきます。入り口で既に象に乗る時間は決まっていて、12時に象乗り場に来てくださいと言われました。
さて、象に乗るにはシャトルバスに乗ってサファリゾーンへ。
バスの絵を見て思う。見ざる、言わざる、聞かざるというのは、インドネシアでも有名なのだろうか…あれは日光東照宮の彫刻だったと思っていたんだけれど。後で調べてみよう。
さあ、象のいるサファリゾーンに到着したよ!
「え!?あれに乗るの!?水の中に入るの???」
「話に聞いていたのと違って、とてもキレイな感じねえ」
いつもよく行くイタリアンレストランのオーナーシェフが、従業員の慰安旅行でバリ島に行ったという話を聞いていたのです。それで、バリ島では象に乗れるんだよってことも予習済みでした。
「うーん…象に乗っちゃうとさ、良い写真が撮れないんじゃないかなあ」
「ここまで来て象に乗らないなんてことある?」
「いや、乗らないとか言ってんじゃなくて、良い写真が撮りたいなーってことでね」
「前の象に乗って、後ろの方向いて撮影したらいいじゃん」
「え…1人で乗るの?」
「うんそれがいいね!」
「…(やべえ…)」
いやあ藪蛇とはこのことですねえ。残念でした。
あんたの相棒は、遊ぶことと企画力に関しては、数枚は上手です。
で、まあとりあえずエサやりからやってみて、がっつりと象の近くにまで行くのでした。意外にも臭いは気にならない程度のクサさでしたが、近寄るとやっぱり動物特有の生臭いニオイが…
「やっぱ無理っす」
「さあ、どうするかなあ」
駆け引きはここから始まるのであった。