英語検定とカーディガンCEBU#03

年末年始にバリ島へ行って以来の関西空港です。遠くからしか見えませんが、連絡橋の南側の橋桁が、撤去されていました。

「あのさあ人生最悪の話をしていいかな?」

「何なの?今から海外旅行に出掛けようというハッピーな人が言うセリフではないけども、まあ最後まで聞くよ」

「そうなのよねえ〜トイレに入ってあぁ幸せだなぁって思ってたわけよ」

何の話をするのかと思えば、いま戻って来たばかりのトイレでの話をするようだ。

ここは関西空港の出国ロビーのある4階のカフェ。搭乗時間までまだ時間があるので、つい先ほどラーメンを食べて来たところ。関西空港には神座(かむくら)があるのです。

メニューを見てオーダーしたあとすぐにトイレに行って、帰ってきたと思ったらいきなり人生最悪の話を始めるとはどういうことなのか。

「こうやって海外旅行に行けて幸せだなあとしみじみしながらまあ用を足してさ、ふと流そうと思って後ろを向いたら、カーディガンがそこに落ちてるわけ」

「ええっ!?トイレに?」

「もう気分は天国から地獄だよね」

ついさっき駐車場から空港建物の中に入って来たとき、エアコンが寒いねと言って羽織っていたカーディガンが…ですか?

「で、どうしたの?そのまま流さないよね?」

「うん…まだ上の方が濡れてなかったからつまんでゴミ箱に捨ててきた」

ちょっとひと安心。もしトイレが詰まっても、滑走路が水浸しになることは無いとは思うが。


ちょっと何か甘いもの食べたいと言うので、英國屋というカフェまで来ました。気を取り直してコーヒーフロートを飲んでワッフルを食べていた時のこと。

「あ、今日は英検の模擬回答の速報が出る日だよね?」

なんと一昨日は子どもが英検のテストを受けていたのでした。その回答速報がインターネット上で発表されるらしく、答え合わせをしようというのです。

「そうだそうだ、ちょっと採点してみるね」

しばらくして…

「なにこれ。ぜんぜん合ってない!ほとんど間違ってるじゃん」

「ええっ?」

「得意のヒヤリングも、3つぐらいしか合ってなくて、ほとんど間違えてる。全滅だわ。ちゃんとマジメにやったの?」

「やったよ…」

「これじゃあご褒美なしだわ。あーもう悔しいわ!」

とまあ、さんざんディスったあげく凹んだ雰囲気でしばらく過ごして。いつからそんな教育熱心になったのか知らないけど、まあ前回よりも級が上がって難しくなってるから仕方ないよね、また来年試験があるからまぁいっか、今度頑張ろう〜と空気を戻してきたところ。

ワッフルももうお腹がいっぱいで食べられないやと落ち着いて考えると、いくらなんでもあの点数はおかしい。目をつぶってマークシートに印をつけたって25%は正解するはずなのに、1割以下の得点ってどういうこと?何かあるな…

「あのさ、それ回答速報間違って無いよね?」

「え?」

「ほら、第何回とかあるじゃん」

「…」

大人、顔面蒼白。

「あ、ち、違うかも…これ土曜日のかも」

「おい!」

英検は土曜日と日曜日の2パターンあったみたいです。

「土曜日の方、見てたわ」

「やっぱり!」

落ち込んでいた空気がうって変わって一気に盛り上がるテーブル席。さあもう一度採点のやり直しだあ!

「ちょっと答えの番号、読み上げて」

「OK〜えっと、まず最初からね。3、4、3…」

とやり直したところ、

「半分以上合ってるわ。ヒヤリングはほとんど合ってる…」

「おいっ!なんだよ!」

「ははは〜やっぱりさあ、カーディガン落としてる大人と、今年初めに英検合格している子どものどちらを信じるかって、もう一度冷静になって天秤にかけてみたんだよね」

「ははは」←笑ってごまかすしか無い。

「そしたら、グイーンって天秤がこっちに傾いたんだよね〜」

失敗続きの大人よりも、正直な子どもの方が信用できるよね。

そんなホッとひと安心した直後に出国です。

ところで、なんで突然、英語ネタをブッ込んで来たかと申しますと…

「それじゃあ行ってきまーす!」

英語ネタのワケ言わへんのんかーい!