長田in香の香〜その釜あげうどんの素朴で優しい美味しさ。

「只今から釜揚げうどん攻略作戦を開始する!」饂飩小隊長の号令が朝の静けさを切り裂いた。

マルハチマルゴー時、府中湖パーキングエリアにて車中泊した我々=四国方面遠征軍は、我が機動小隊に配備されている戦闘ロボット「機動重機HYMERくん」に搭乗し、隊員の食糧を調達すべく善通寺インターチェンジから北上を開始したのである。

進軍途中、他府県ナンバーの車を見るたびにその同じ目的地に向かう競合車ではないかと偵察しながら向かった先が、そう、長田in香の香(ながたいんかのか)である。

「小隊長!敵うどん補給基地が目視できました!あちらの第2駐車場へ進むのがよろしいかと」

「よし!目標確認!裏側へ回り込め!目的地停車次第、直ちに歩兵隊の降下作戦に移る!」

「降下作戦了解!全軍に降下準備を通達!!」


第2駐車場の最も奥に機動重機HYMERくんを停車した我が小隊は、すぐさま補給基地攻略へと歩を進めた。するとどうだ、なんとも敵は鉄壁の守りを敷いていたのである。


今はまだ朝のゼロキュウマルマル時になっていないが、もう民間人でいっぱいであった。駐車場の車を観察すると、どうやら香川県内の車が多いようだ。さもあろう、まだこの目的地であるうどん屋は、開店前なのであるから。


しかし、30分ほど待ったであろうかそれぐらいで店内に入ることが出来た。すこぶる回転の早いうどん屋である。

「敵うどん補給基地の前に到着しました!作戦行動の命令を待つ」

「到着了解!そのまま待て!」


「作戦行動について伝達!持ち帰り用の生麺3人前を2個、お土産用半生麺を6玉セットを1個、さらに現地にて胃袋に補給するため、釜揚げうどん中を複数個、注文せよ!」

「了解!」


「小隊長!これは美味いであります!」

「ようし!いいか、食える時に食っておけ!」

「はい!」

「よし!食ったらすぐに撤収だ!」

すでに、県外ナンバーの車も続々と集まり始めていた。午後からは四国以外の他府県から続々とやってくるのだろう。

我々は、敵補給基地を攻略し、次の目標へと前進したのである。