ペヤング焼きそば〜キャンカー西日本制覇(その2)

中国から九州へと向かう旅では、中国自動車道を走って行くことが多いです。山陽自動車道が渋滞が多いことや、道路整備が中国自動車道の方が進んでいるという理由です。

ただ…道路は綺麗になりましたが、サービスエリアはちょっと寂しい…

どこに立ち寄ってもひと昔前のパーキングエリアな感じの施設ばかり。まあ、前泊するだけなんだから、どんなところでも良いし、人気がなければかえって静かで良いんだけどね。

というわけで、ノープラン旅の真髄である「今日はどこで泊まろうか」漫談が車内で始まり始まり〜。

「今日はどこまで行くの?」

「まだ決めてない…」

で、しばらく走る。中国自動車道は進めば進むほど暗くて何も見えなくなります。

「お風呂はもう明日の朝でいっか」

「そうだね」

旅に出た初日の話題は晩御飯と風呂と寝る場所ですね。早く前に進みたいから晩御飯は近所のコンビニで買うでしょ、風呂は入ってから出るか途中で入るか。この日は急いで出たので自宅で入らずに出発しました。

前乗りから温泉だと最高ですが、意外にも岡山を過ぎると日帰り温泉が少なくなってきます。それもそのはず、もう人の住んでいなさそうなぐらい真っ暗な山の中を高速道路は通ってるんですから…

というわけで、今日の温泉はアキラメました。

「ここ、寄ってみよっか」

「うん」

勝央サービスエリアに到着。

「ここで寝る?」

「うーん…なんか違うなぁもうちょっと行かない?」

「そうだね、もうちょっと走ろう」

メシ食って風呂をアキラメたらもう就寝モード。でも、ここじゃないな…というわけで、次のサービスエリアへ。今夜ここで泊まるかどうかをフィーリングで決めるという旅路になってまいりました。

また、しばらく走って。

「明日はどこでお風呂に入る?」

「玉造温泉にしようかと言ってなかったっけ?」

「それってどこ?」

「松江の方よ」

「遠回りじゃね?」

極度の全否定によりしばし沈黙…google先生と相談すること数分。

「益田ってとこに日帰り温泉の旅館があって、そこでお昼ご飯も食べられるし、そこにしよう」

旅の企画はこのようにして突然決定するのでした。スマホとインターネットのおかげ。助かります…。もしその2つが無かったら、たぶん旅行に出かけてないなぁ〜。だって調べるの面倒だから。

というわけで、いきなりルート変更して浜田市へ抜けるルートになりました。

「なんだよ〜そもそも出雲にまた行きたいね〜っていう話から始まったのにさあ」

「キャンカー旅は無計画なの。予定は未定なの。ノープランなの」

「ちぇ」

「いいでしょう!益田だって山陰じゃないの!」

まあ、益田で美味しいご飯を頂けることを期待して…さて次のサービスエリアへ。

「ここはどう?」

「うん寄ってみよう」

大佐サービスエリア。名前は面白いねえ。「おおさ」と読むらしい。

「うーん…違うな」

「そうね」

またもう一つ乗り気にならず。

やっぱりピタッとくるサービスエリアって中国自動車道にはなかなか無いですね。

「顔が洗いたいから、洗面でお湯が出てくれると嬉しいんだけど」

「たぶん、ここからずっと山だから冬はお湯が出ると思うよ」

そして最後のチャンス七塚原(ななつかはら)サービスエリアへ。

「お、ここいいね、広くて」

「うん、ここだったら綺麗そう」

というわけで、この日の夜は浜田自動車道へ分岐する手前では最後になるサービスエリアの七塚原SAに決定。いやー楽しいなあこの無計画感。行き当たりばったり感。

そして、顔を洗って帰って来たら、テーブルの上に

清水パーキングエリアで買って保管しておいたペヤング焼きそばを棚から発見したらしい!

「何これ?ペヤング食べるつもり?最高じゃん!」

はい、最高です。

もう何というのでしょう、この夜食のワクワク感に勝るものは無いですよね、最高のご馳走です。どんなフランス料理よりも和食懐石よりも、HYMERくんの中で夜中にお湯を沸かして食べるインスタント食品の方が美味しく感じてしまうこの貧乏舌。

サクッと食べて寝ます。

「おやすみなさーい」